JLAU 都市デザインセミナーvol.10

フォレストアドベンチャー・横浜
都市の中の森で遊ぶ ここまでできる Park-PFI

実施概要

日時:令和 3 年 2 月 6 日(土) 13:00~16:00
場所:フォレストアドベンチャー・横浜
主催:(一社)ランドスケープアーキテクト連盟(JLAU)
講師:白井勇喜 氏(株式会社フォレストアドベンチャー執行役員)
参加者:現地 11 名(講師、スタッフ含む)

セミナー概要

当セミナーは、コロナ禍の中、より存在感を増している屋外アクティビティの「フォレストアドベンチャー」実体験しようというセミナーです。
「フォレストアドベンチャー」は、安全を確保する専門のハーネスを装備し、森の木から木へ空中移動していくフランス発祥のアウトドアパークです。現在、全国32カ所で展開されていて、横浜ではParkPFI(公募設置管理許可制度)を活用し令和元年(2019)年8月にオープンし人気を博しています。
現地見学参加者がフォレスト·アドベンチャーを実体験するとともに、運営管理者に樹林地を活用したアクティビティの魅力、管理、運営、今後の展開についてのお話を伺います。

セミナー実体験の様子

“自分の安全は自分で守るが”フォレストアドベンチャーの大原則。樹の上で、自ら安全器具を操作し、自分で安全を確保して前へ進むというのが最大の魅力。ここでは誰もが真剣に楽しむことができるように作られています。
“大人は子供にかえり、子供は大人になる”を隠れたコンセプトとしここでしかできない体験を提供している。

自然の立木の樹上2m~15mの高さに設置された足場に登り、ワイヤーによって張られたコースを利用して別の木に移動していくアドベンチャーで、命綱があるとはいえ最初は参加者全員たいへん興奮しました。
コースはおおよそ2時間で終わるように設計されていて、1時間もすれば遊び方を理解し始め自然の中で遊ぶことを心身ともに体験できるようになっていきました。
コースが3つ併設されていて、大人向けのアドベンチャーコース、ファミリー向けのキャノピーコース、身長90cmから利用できるキッズコースが作られている。また、キッズコースに隣接されているユニバーサル向けの空中散歩の施設も作られている。

森林を活用した最大の特徴

施設の最大の特徴は森を森のままで利用できることです。
一般的なレジャー施設をつくろうとすると、大規模な開発が必要になりますが、フォレストアドベンチャーは環境への負荷を最低限に抑えることができます。
2006年8月7日、富士山麓の標高1100mの森に日本第一号のパークがオープンいたしました。樹の上から富士山が間近に見られるこの森は、山梨県の県有林です。15haの森にフォレストアドベンチャーを設置して、ビジネスとして成立させ、その収益の一部を森林整備費にあてる、持続可能な森林管理のモデルの実験的施設となりました。この森林管理モデルはH17,18年と林野庁の森業山業創出支援事業に採択され、支援を受けています。その後、全国の森に施設が増えていますが、森が違えばまったく違った施設ができあがるという実例である。

運営と集客課題

当初のコンセプトは、リスクマネジメントとチームビルディングなどの企業研修を目的として作られた。
スタッフは平均して10名でピーク時には13名で行う。そのうち社員2~3人でその他の人員はアルバイトで運営している。
コロナ禍の緊急事態宣言下では一時閉鎖を余儀なくされ、再開後は軍手を使用することで感染症対策を行い予約制を導入して30%~50%の入場客数のコントロールを実施した。
コロナ以前では、土日のピーク時には500名が入場している時もあった。
1~3月は閑散期だが、主なお客さんは横浜市在住の方で、コースの選択ができるのでファミリー層がヘビーユーザーとなり毎週来ている方もいてリピーターが多いのが実情。
初年度から来場者が1.2万人と多く収益性は確保できているが、類似施設が増えてきている中、差別化がなかなか難しくなってきているのが課題。
ただ、フォレストアドベンチャー横浜には併設されているトレイルアドベンチャーの人気が年々増してきているのも集客の起爆剤と考えている。

質疑応答

Q、Park-PFI(公募設置管理許可制度)という制度を運用する上で、行政とのやり取りで難しかったポイントは?
A、森林の保護保存が大前提であるために駐車場の設置が一番難しかった。ただ、既存の横浜ズーラシアの駐車場があったので、ゼロベースではなく話が進めやすかった部分もあった。(白井氏)

Q、行政側からの視点でフォレストアドベンチャーに運営してもらって良かった点は?
A、森林は横浜市の所有なので管理も基本的には市で行うが、台風など悪天候だと横浜市全域すべてを迅速に対応するのは人的資源に限界があり難しい。そのような緊急事態の際には、フォレストアドベンチャー側から現状報告及び対応提案をしてもらい倒木の対処などを行ってもらえるので横浜市としては助かっている。また、希少植物が見つかった際にはフォレストアドベンチャー側と情報共有している。(横浜市担当者小田嶋氏)

Q、野生動物の対策は行っていますか?
A、自然と共生できるのがフォレストアドベンチャーの意義であるので、動物たちを排除するようなやり方は行わない。むしろ、来場客に自然と動物との共生できるアクティビティであることを提唱している。(白石氏)

Q、横浜市に支払う賃料はどのように算出しているのか?
A、コースに関しては設置管理許可とし賃貸の対象。例えば、コースに張ってあるワイヤーの地代はワイヤーを中心に60cmの幅を許可対象面積として算出している。ユニバーサルコースは無料使用できるので減免の対象になっている。(横浜市担当者小田嶋氏)

まとめ

実体験をすればするほど楽しめる施設であるということを実感しました。
都心に近い森という地理的メリットのリソースを活かしPark-PFI(公募設置管理許可制度)を活用したという公民連携の良き事例であると思います。
最後に、今回講師を承って頂いた白井勇喜氏は「フォレストアドベンチャーで森の共生を日本全国に届けられたら」というビジョンの言葉で締めの挨拶を頂きました。

(文貴:安斎賢三)

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