【ROAD TO 2023 JLAUが掲げる3つのテーマ オンラインセミナー】
Green Infrastracture vol.02
オランダのグリーンインフラ
~H+N+Sが携わる分野横断の取り組みと30年の軌跡~
実施概要
日時:令和4年5月30日(月)20時~22時
場所:オンライン(ZOOMウェビナー)
主催:(一社)ランドスケープアーキテクト連盟
講師:Hank Van Tilborg氏、Pieter Schengenga氏、吉田有香氏(H+N+S)
参加者:106名
Step1 H+N+Sによるプレゼンテーション
吉田氏の挨拶、事務所の紹介に始まり、Tilborg氏、Schengenga氏からH+N+Sが携わったプロジェクトを紹介いただきました。
Maasvlakte(オランダ国内における海浜を対象とした大規模プロジェクト)
機能的・技術的な側面を担保しつつも、市民のために海浜部へのアクセスのしやすさやレクリエーションといった要素を統合したプロジェクト。「港の技術的・機能的能力」「海浜の自然」「アクセス性と魅力を持つ港」という3点に配慮した計画となっている。砂を用いた護岸による植物や鳥類等を誘引する取り組みや、砂丘や海の景観を楽しめる展望台等を整備している。土木、生態学、アート等、多くの職能のプロフェッショナルとの協働で計画を実現した。
Living with the Bay(アメリカのニューヨーク州における洪水対策の提案)
ハリケーン・サンディにより大きな被害を受けた対象地に対して、水害の対策提案を行ったプロジェクト。土木工学的な観点だけではなく、地域の経済的、生態的、社会的な価値を向上させるデザイン提案を行っている。堆砂のシステムを整理した放水や海面上昇抑制、湿地の既存活用や再生、堤防構築を提案している。また、河川や湾岸部の水質改善のために、市営水道の改修も検討した。
Step2 H+N+SとJLAU技術委員会メンバーによるトークセッション
H+N+Sの所員の方々とJLAU技術委員会の主に若手のメンバーとで、トークセッションを行いました。技術委員会のメンバーからの多くの質問が挙がりましたが、きめ細かく回答をいただきました。紹介いただいたプロジェクトの両者が、分野を横断し複数の職能の協働により実現したものであったため、どのようにして協働を進めているかが、話題の焦点の一つとなりました。プロジェクトを成功させる協働のあり方として、計画の初期段階から参画するメンバーとコンセプトを共有していくことが重要なポイントの一つであることを伺うことができました。また、参画する各職能のメンバーを決めていくにあたっては、歴史ある事務所ならではの蓄積された知見が有効に働いているということが感じられました。
設計の取り組み方として、「research by design」という考え方があることも伺うことができました。デザインという目的に対し、何をリサーチするかを絞っていくというプロセスは、参加者にとって関心が高いトピックかと思われました。技術委員会メンバーだけでなく、視聴者の方からも質問が挙がり、有意義なイベントにできたかと思われます。
H+N+Sの皆様、視聴者の皆様、ありがとうございました。Green Infrastracture Vol.3もどうぞご期待ください。
(文責:技術委員会 飛世 翔)