会長挨拶
一般社団法人 ランドスケープアーキテクト連盟
会長 平賀 達也

あなたともに描く未来の風景
ランドスケープアーキテクト連盟(JLAU)は、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)を中心に、ランドスケープアーキテクトの社会的職能の確立を目的として2013年に設立されました。設立以来、JLAUは日本におけるランドスケープアーキテクトの専門性を高めるとともに、社会に広くその役割を発信してきました。また、JLAUは2016年に「国際ランドスケープアーキテクト連盟(IFLA)アジア太平洋地域(APR)」日本支部との統合を果たしました。これにより、活動の舞台は国内にとどまらず、国際社会と連携しながら広がりを持って展開されることになりました。
2023年には、設立10周年を記念し、JLAUが主催者となって「IFLA-APR2023日本大会」を開催するに至ります。そして、大会の閉会式では10年後の2033年に再び国際会議を日本で開催することを宣言しました。2025年にスタートした新体制においては、この2033年をターゲットイヤーに位置づけ、短期・中期・長期の計画を段階的に実行し、ローカル・ナショナル・グローバルをつなぐ総合的な活動を展開します。
現在、地球温暖化の進行により人類の未来が脅かされているという現実があります。私たちはこの危機を回避するため、世界共通の課題解決に留まらず、環境の保全と再生に資する文化的な価値創造を目指します。この理念の象徴として、先の国際会議で「ランドスケープ・カルチャー」という概念を提示しました。それぞれの国や地域が自然や風土に根差した文化を大切にすることこそ、持続可能な社会の循環や経済の発展につながるとの考え方です。たとえば、オーストラリアのランドスケープアーキテクトは、欧米由来の “Landscape” という言葉に代えて、先住民が祖先とのつながりや土地との関係性を表す “Country” という言葉を用い始めました。この選択は、自らの役割を再確認し、文化的アイデンティティを基盤とした未来志向の実践を可能にしています。
私たちもまた、常識を問い直し、自己修正を重ねながら勇気を持って前進していくことが求められています。JLAUは、より良い未来の風景を創出するために、多世代・多文化の人たちと対話を重ねながら、そして志をともにする国内外の仲間たちと協働しながら、ランドスケープの力で社会や環境をより良くする活動に挑戦しつづけます。
私たちJLAUの扉は常に社会に向かって開かれています。ランドスケープの力を信じて、意志ある未来の風景をつくりたいと願うあなたのために。
会長 平賀 達也