What's JLA map

ようこそJLA mapへ。
JLA mapは、JLAUおよびJLAU会員が運営するランドスケープ・アーキテクチュアのガイドマップです。
JLA mapには、JLAU会員が携わった現代ランドスケープ作品を中心に、日本庭園等の歴史・文化的作品、それら作品の発想の源泉となる国内の海・山・川等の自然景観を地図上にマッピングしています。
マップ上の作品等は、継続的にJLAU会員が投稿するシステムとなっていますので、JLA mapには完成がありません。
本マップをきっかけに、みなさんが実際にその場所に足を運んでもらえれば幸いです。

Reports

2020.02.26資格教育セミナーvol.01「ランドスケープを語る~造園領域のアイデンティティ論からの提起~」

●日時:2020年1月24日(金)18:30~20:30
●場所:「みんなの会議室 代々木6F」
●プログラム:
 開会
 造園領域のアイデンティティ論
 講師:福成敬三氏(フォーサイト緑地環境研究所 代表)
 意見交換
 閉会
●参加者:42名(JLAU会員35名・その他7名)

1.開催概要
 「JLAU資格教育セミナー ランドスケープを語る」の第一回目となる本セミナーでは、福成敬三氏(フォーサイト緑地環境研究所 代表)を講師に迎え、「造園領域のアイデンティティ論からの提起」をテーマに開催しました。
 造園領域のアイデンティティ論については、昭和46年に建設業法の改正で造園工事業として土木領域の専門工事のひとつに組み入れられたこと、そのことで造園産業が大きく発展したこと、一方、造園のアイデンティティに大きな影響があったであろうことから30年以上前から議論されてきました。このような時代背景のもと、本セミナーでは、これまでに造園学会等において、設計、施工者を含めて議論されてきた造園領域のアイデンティティ論のその後から見えてきている造園領域の現状と解決方策案、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)制度が確立されてきた経緯を再認識することで今後の資格制度の可能性について議論を深めました。

2.講演内容
 福成氏の講演は、「造園領域のアイデンティティ論からの提起」をテーマとして、経験豊かなコンサルタント等の実務成果の紹介や関連学会・協会の創造的な活動紹介から始まり、造園のアイデンティティを意識するようになったきっかけ等を詳細にご講演頂きました。
 講演の中では、造園が土木分野の技術を一部そのまま利用していることで、いびつさが生じていることや、施工者が良いものをつくってみようと思える設計意図を伝える資料や機会が必要であること、さらには、AIにはできない考え方を出す必要性など、過去から未来を見据えた幅広く、大変興味深いお話を頂きました。
 造園のものづくりの話では、施工段階において図面通り行うだけではなく、技術者としてあるべき対応を行うことが重要であること、設計、施工を分離して行うのではなく、一体で行っていく必要性や、施工後の引き渡し以降、継続して管理を行っていくことが大切であり、それが造園の独自性につながっていることをご講演頂きました。
 また、街路樹の話では、街路樹の適正な管理については、歩道の幅員等が制約条件になっているのではなく、良い街路樹を維持していこうという意思が重要であるということや、街路樹の目標状態等のデータを蓄積し、より良いものを作ることが重要であるといった品質管理に関わる内容をご講演頂きました。
 最後に造園のアイデンティティを確かなものにしていくためには、設計者と施工者ともに造園アイデンティティを考えていくことが大切であること、造園技術者として、流されないで、しっかりとした考えをもって対応することが必要であること、業務の基本的スタンスとして、専門家として責任をもって任され、自分たちがやっていく、という仕組みが必要であることなど、価値あるお話をお聞かせ頂くことができました。

3.意見交換
 講演の後の意見交換では、JLAU戸田芳樹会長より、講演のまとめのお話を頂きました。講演内容を通じて、「生きざまそのもの」、「造園界の生き字引」、「新しい組織づくり、さきがけを行ってきた」等の活動評価を頂きました。また、これまでの福成氏の造園分野における先進的な取り組みに対して、「造園技術の弱点を見つけて、それを結び付け、社会構造に横糸として組み込んできた」と造園分野における福成氏の実績を評価するご意見を頂きました。
 また、講演を通じて考えられた今後のランドスケープ分野における課題として、管理は造園の醍醐味であり、それが現代において一貫性をもってなされていないこと、ランドスケープ設計事務所において、設計作業への偏りより、ものづくりの現場から乖離していること等の課題が示され、今後は、設計の最終成果である完成された実際の造園空間の価値を高めること、設計、施工のコミュニケーションをとることが大切であること等が示されました。